歯周病とは、細菌によって歯ぐきが炎症を起こして出血し、進行すると顎の骨が溶けて歯が抜けて落ちてしまう病気です。
しかし、虫歯のような痛みがほとんどないため、症状に気づいたときには重度まで進行していることが珍しくありません。自分の歯を守るためには、毎日のケアと歯科医院での定期的なクリーニングが重要です。
歯周病の進行
進行段階 | 症状 |
---|---|
歯肉炎 |
歯ぐきに炎症が起きている状態。ブラッシングの際などに出血しやすくなります。歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)の深さは、3mm程度です。 |
軽度歯周炎 |
顎の骨が溶けはじめた状態。歯ぐきが腫れ、ブラッシングの際に出血が見られるだけでなく、冷たい水がしみたり、口臭が出たりします。歯周ポケットの深さは、4mm程度です。 |
中等度歯周炎 |
顎の骨が半分くらい溶けた状態。歯を指で押すとグラつきます。歯ぐきの腫れや出血に加え、歯が浮くような感じがしたり、口臭が強くなったりします。歯周ポケットの深さは、6mm程度です。 |
重度歯周炎 |
顎の骨の3分の2以上が溶けた状態。歯のグラつきがひどくなります。歯ぐきが下がり歯根が露出し歯が長く見えたり、歯と歯ぐきの境目から膿が出て口臭がよりきつくなったりします。 この状態を放置すると、最悪の場合、歯が抜け落ちます。歯周ポケットの深さは、8mm程度と非常に深くなります。 |
歯周病の検査方法
歯周ポケット検査 | 「プローブ」というものさし状の器具を用いて、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さを調べる検査です。深ければ深いほど、歯周病が進行しています。 |
---|---|
歯の動揺度検査 | ピンセット状の器具で歯をつまんで動かし、グラつき度合いを調べる検査です。グラつきが大きいほど、歯周病が進行しています。 |
レントゲン検査 | 顎の骨の状態をレントゲン撮影にて調べる検査です。骨密度が低いほど、歯周病が進行しています。 |
歯周病の治療法
ブラッシング指導
歯周病の予防や治療をするうえでもっとも重要なのが、普段のブラッシングです。歯石やプラーク(歯垢)が残ってしまわないよう、適切なブラッシング方法をレクチャーします。
歯石除去
超音波スケーラーを使い、歯と歯ぐきの間にできた歯石を取り除いていきます。
歯周ポケット掻爬(そうは)術
軽度~中等度の歯周炎に対して行う外科的処置です。局所麻酔を行って歯周ポケット内のプラークや歯石、膿、感染した組織を除去します。
フラップ手術
中等度以上の進行した歯周炎に対して行う外科的処置です。
局所麻酔をした後に歯ぐきを切開して顎の骨からはがし、露出した歯根に付着しているプラークや歯石を除去します。また、感染した組織も取り除きます。
虫歯や歯周病は、初期段階では痛みも違和感もほとんどないため、気づかないうちに進行していることが多々あります。痛みに気づいたときには歯を削らなければならないほど進んでいることも珍しくありません。こうした状況を防ぐために欠かせない大切なのが「予防」です。
豊中市の歯医者「加藤歯科医院」では、定期的な検診とケアで健康な歯を維持する予防処置に力を入れています。お口の健康を一緒に守っていきます。
予防のメリット
予防処置では虫歯や歯周病のリスクチェックをはじめ、歯に付いた歯石の除去や正しいブラッシング方法の指導、フッ素塗布による歯の健康維持などを行います。定期的に予防処置を受診することで、多くのメリットが得られます。
予防処置を受けることで、健康で清潔な口腔内を維持し、
虫歯や歯周病の悪化を防ぐことができます。
予防処置を受診することで、見つけづらい初期症状の虫歯でも
早期発見できるので、痛くなってから治療するよりも早く治療を終えることができます。
予防処置によって、ブラッシングでは得られない爽快感を得ることができます。
口臭予防にも役立ちます。
当院の予防処置
定期検診
自分自身では見つけられないような病気のサインを見逃さず、定期的にお口の健康管理ができます。
フッ素塗布
歯の再石灰化を促すために表面にフッ素を塗布する処置のことです。
カリエスリスク診断(唾液検査)
唾液を検査することで、虫歯のかかりやすさ(カリエスリスク)を診断する方法です。患者さん一人ひとりの口腔内環境に合わせた予防ができるようになります。
ブラッシング指導
歯並びや咬み合わせなどの条件をもとに、虫歯や歯周病を防ぐために効果的なブラッシング方法を歯科衛生士が指導します。
PMTC
専門的な機器を使用した徹底的な歯のクリーニングです。普段のブラッシングでは落とせない汚れまでしっかりと落とせます。
エアフロー
通常のクリーニングだけでは除去できないような汚れなどの場合に、歯や歯ぐきを傷つけずに汚れを落とします。
咬み合わせチェック
咬み合わせが乱れていると、そこから虫歯が発生する可能性が高まります。咬み合わせの問題を発見し、改善につなげます。
生活習慣の指導
毎日のケアや食生活など、口腔内の健康には生活習慣が大きくかかわります。患者さんの普段の生活について伺いながら、適切な指導を行います。
一般的な歯科で治療できるのは、虫歯や歯周病など。それに対して口腔外科は、一般歯科よりも治療できる範囲が広くなり、口内炎の治療や顎・舌の治療、親知らずの抜歯なども診療内容に含まれます。なお、当院では月に1度、口腔外科の専門医が治療を行っています。
親知らずの抜歯
親知らずが周りの歯に悪影響を与えてしまう生え方をした場合は、抜歯の処置を行います。
口腔内のできもの
頬の内側や舌などにできものができた場合の検査や必要に応じて切除などの処置を行います。
歯牙移植
失ってしまった歯を、親知らずなどの不要な歯で補う治療法です。自分の歯を移植するため拒絶反応が起こりにくく安全です。
再植
抜けてしまった歯を再び元の位置に植えなおす処置です。強い衝撃などで抜けた歯でも、すぐに処置をすれば元に戻ることがあります。
外傷
口の中を切ってしまった場合やお口周りにケガをした場合などの治療も口腔外科で行っています。
また当院は、大阪大学歯学部附属病院、豊中市民病院と連携しております。